株式会社Bizibl Technologies
展示会後の“沈黙リスト”を育てて成果に変える!MA×ウェビナー実践セミナー
2026. 03. 30
目次
株式会社Bizibl Technologiesは、2025年5月28日に「展示会後の“沈黙リスト”を育てて成果に変える!MA×ウェビナー実践セミナー」と題した3社共催セミナーを開催しました。
展示会で獲得した名刺が放置され、商談につながらないという状況は珍しいことではありません。ですが、即座に商談化しない見込み顧こそ、適切なフォローで大きな成果につながります。
セミナーでは、マーケティングオートメーションツール『SATORI』を提供するSATORI株式会社と、物品管理システム『Convi.BASE』を提供する株式会社コンビベース、株式会社Bizibl Technologiesの実践事例を通じて、展示会後のフォロー戦略とMA×ウェビナー連携の効果をお伝えさせていただきました。
本記事では、セミナーの内容をレポート形式でお届けします。
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登壇者のご紹介
SATORI株式会社
マーケティング営業部部長 堀 康佑
株式会社Bizibl Technologies
カスタマーサクセス 前田 考歩
株式会社コンビベース
営業部マーケティンググループ 吉田 隼人
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第1部:展示会担当者がやってはいけないNG行動集(SATORI株式会社)
展示会施策における5つの目的設定
第1部は、SATORI株式会社(以下、SARTORI)の堀様によるパートです。
SATORIでは、創業以来10年間、年間9〜15回の展示会に出展してきました。累計で100回以上の出展経験があり、年間リード獲得数は1,000〜4,000件。展示会経由の商談数は600〜1,000件に達しており、長年の知見から得たノウハウが語られます。
展示会に出展する企業からよく聞く課題は、「会場でやりとりした顧客とその後商談が進まない」「獲得した見込み客のフォローに手が回らない」という声です。実際、展示会で名刺交換をしても、その一部にしか営業がアプローチできず、残りの名刺がどこに行ったかわからない、あるいは何もしていないという企業が非常に多いのが実情です。
SATORIがこの10年の展示会出展経験で学んだ最も重要なことは、展示会の目的設計が曖昧なまま出展すると、必ず失敗するということです。
展示会の目的は、大きく分けて以下の5つに分類されます。
- 認知獲得
- リード獲得
- 商談実施
- 関係構築
- 市場ニーズの調査

SATORIはもともと、商談の目的を「2.リード獲得」に設定していました。今期からは40万件以上のリードデータを保有するようになり、重複率も増えてきたため、「3.商談実施」にシフトしています。こうした目的の変化があれば、KPIやブース設計、当日の行動、フォロー方法のすべてが変わるという点を理解しておくことは重要です。
展示会開催前のNG行動2選
ここからは、「2.リード獲得」を目的とした展示会における具体的なNG行動をお伝えします。まずは、展示会開催前の2つのNG行動です。
①:自社の目的に沿ったブース設計になっていない
リード獲得が目的なら、来場者が「一瞬でも立ち止まる仕掛け」が必要です。SATORIは「一目で課題解決内容がわかるメッセージ」と「会話のきっかけとなる仕掛け」を重視しています。例えば、SATORIブースではレトルトカレーの配布という意外性で足を止めてもらい、そこから会話を始める仕掛けをしています。

展示会開催前のNG行動②:施策の目的を参加メンバーに落とし込めていない
他社ブースを視察すると、リード獲得が目的のはずなのに、ブース内で長時間商談していたり、座って作業している担当者を見かけます。これは展示会の目的共有ができていない証拠です。
SATORIでは開催前と当日朝に必ず目的説明を行います。さらに、各メンバーの個人KPIと展示会目標を接続させることで、「自分のKPI達成のために展示会で頑張る必要がある」という意識を持ってもらっています。

展示会当日のNG行動3選
続いて、展示会当日のNG行動を3つ紹介します。
展示会当日のNG行動①:目的に沿った情報管理ができていない(見込み客の情報を残していない)
展示会に参加している企業の中には、商談に至らなかった来場者の情報を記録していないケースが非常に多いです。しかし、開催後のフォローでどのプロセスに乗せるかを決めるには、当日の会話内容が不可欠です。
SATORIは事前に定義した基準に基づき、すべての来場者とのコミュニケーション内容を記録しています。

展示会当日のNG行動②:展示会メンバーへの指示及び系統が不明瞭(目標に対する進捗を把握していない)
天候や来場状況によって、想定通りにリード獲得できないことがあります。そのため、1時間ごとに個人単位で目標進捗を確認し、社内チャットで共有しています。
SATORIでは、時に営業マネージャー経由でメンバーに声をかけてもらうこともあるといいます。誰が何を言うかも、現場のメンバーを動かす重要な要素なのです。

展示会当日のNG行動③:来場者との会話内容は担当者の記憶の中のみになっている(接点を持った顧客の情報をその場で記録していない)
展示会では1日を通して多くの来場者と話すため、後から思い出そうとしても正確性に欠けます。こうした問題を避けるため、CRMやMA、スプレッドシートなど、何らかの方法で必ずその場でやり取りの内容を記録することが大事です。
また、過去に接点のあった顧客や、現在進行形で営業提案中の顧客が来場することもあります。営業担当者が不在の場合は、来場情報を即座に共有し、後ほど営業担当者からお礼を直接伝えることで、「社内連携ができている会社」という印象を持ってもらうことが可能です。

展示会開催後のNG行動3選
最後に、展示会開催後のNG行動を3つ紹介します。
展示会開催後のNG行動①:展示会以降のコミュニケーション設計ができていない
展示会以降のコミュニケーションの設計がされてないと、その後の継続的な接点がないことで、購買のチャンスを失うことになります。こうしたケースに備えるためにも、展示会以降に関しては、コミュニケーション設計をしっかりしておく必要があります。
SATORIでは来場者を3〜4つのセグメントに分け、それぞれに適したコミュニケーションを設計しています。
- 一定程度興味があるが商談に至らない層:お役立ちコンテンツやセミナー案内
- 温度感が不明な層:メルマガ配信とMAによるトラッキング
- すぐに商談にならなかった層:アフターフォローシナリオに沿った段階的アプローチ

展示会開催後のNG行動②:全員が参照できる状態になっていない
SATORIではリード獲得後、インサイドセールスがフォローするため、必ずしも当日の担当者が対応するわけではありません。だからこそ、何を話してどういうことを聞いたのかを共有することで、パーソナライズされたフォローアップが可能になります。
電話がつながった際に、より深いヒアリングができれば、商談の質が上がり、成約にもつながりやすくなります。

展示会開催後のNG行動③:自社プロダクトのPRばかりのコンテンツ案内
展示会で集めたリードに対して、その後製品PRばかりを送ってくるケースがあります。しかし、手を変え品を変えたコンテンツの方が、メルマガ開封や興味喚起のきっかけにはなりやすいです。
検討度合いに応じて4パターンほどのコンテンツを準備し、月1回、リソースがあれば週1回の頻度で接点を持つことが理想です。

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第2部:展示会フォローにウェビナーを活用する3つの兵法(株式会社Bizibl Technologies)
展示会後の「沈黙リスト」という機会損失
株式会社Bizibl Technologies(以下、Bizibl)では、10年ほど前から展示会の出展方法やブース設計、フォロー施策について、全国の中小企業や地方企業の支援を行ってきました。そのなかで最も多く寄せられる課題が、「展示会で獲得した見込み客のフォローに手が回らない」「商談につながらない」というものです。
商材の単価によって許容できる商談率は異なりますが、短期間で商談獲得できなかった見込み客の多くはハウスリストに入れられ、ただメールマガジンを送られているだけではないでしょうか。これは非常にもったいない状況です。
第2部では、この「もったいない状況」を解決するために、ウェビナーを活用した3つの手法を中国の「兵法三十六計」となぞらえて、「展示会兵法三十六計フォロー編」としてご紹介します。
兵法①:囲師必闕(いしひっけつ・架電のセカンドゴールをウェビナー案内にする)
中国の兵法書『三十六計』に「囲師必闕(いしひっけつ)」という言葉があります。「敵軍を包囲する際は必ず逃げ道を残しておく」という意味です。これを展示会フォローに応用すると、電話での商談獲得が0か1かではなく、0.5や0.6にする方法を考えるということです。
通常、インサイドセールスは商談を目的に電話をかけますが、商談に至らなければ「また機会があれば」で終わってしまいます。これでは、成功が0か1になってしまいます。
そこで、商談に至らなかった来場者には、開催予定のウェビナーを案内するのです。

ただし、注意点があります。来場したものの商談に至らなかったということは、まだ商材への関心や課題感が小さかったり、課題に気づいていなかったりする可能性が高いのです。
そのため、いきなり「製品の使い方ウェビナー」のような商談に近い内容を案内しても、見込み客には響かない可能性が高いです。まずは課題に気づいていただくウェビナーから始め、徐々に階段を上げていくような設計が必要です。
Biziblでは、ウェビナーを以下の3段階に分けて設計しています。
- 認知獲得:まだ課題に気づいていない自社製品への興味が低い層向け
- 興味醸成:ウェビナーという手段に興味を持ってくださった方向け
- 検討促進:具体的な製品に興味があり、検討段階の方向け

このように、見込み客の課題や関心度がマッチしたタイミングで提供することで、商談につながる可能性が高まります。
兵法②:遠交近攻(えんこうきんこう・見込み客の関心度合いに応じたアプローチ)
中国の兵法「遠交近攻(えんこうきんこう)」は、「遠い国と親しくし、近くの国を攻略する」という意味です。展示会フォローにおいては、アンケートを使って見込み客の関心度合いを可視化し、優先順位をつけることを意味します。
例えば、Biziblでは以下のような設問を設けてアンケートを回収しています。
「今ウェビナーを行っていますか?」(状況の可視化)
→ 定期的/不定期/興味あるが未実施/興味なし
「ウェビナーにおける課題は何ですか?」(課題の可視化)
→ 回答内容で温度感を判断
「弊社のサービスに興味はございますか?」(ニーズの可視化)
→ 直接的な興味度を測定

これらにスコアを振り、掛け合わせることで、荷電の優先順位を判断します。
高スコアの方には優先的に荷電し、低スコアの方にはメールのみという形で、限られたリソースを効率的に配分します。さらに、低スコアの方にもウェビナー案内を入れることで、段階的に見込み客を育成していきます。
兵法③:兵貴神速(へいきしんそく・アポは神速を尊ぶ。M&A連携の最大の価値)
「兵貴神速(へいきしんそく)」は、「戦では何事も迅速に執行対応することが大切」という意味です。
これは展示会フォローでも同様で、来場者へのメール送信や、メール開封者への電話は、とにかく早ければ早いほどアポ獲得率が高くなるという原則があります。ここで最も効果を発揮するのが、MA連携です。
Biziblは、HubSpot、Marketo、SalesforceなどのMA(マーケティングオートメーション)と連携可能です。申込者情報をリアルタイムで連携し、Slackに通知ができます。これにより、架電担当者が優先順位の高い順から即座に電話をかけられるようになるのです。

また、MA未使用の企業でも、ビジブルには「アンケート回答時に即メール通知」する機能がありますので、迅速なフォローが可能です。
録画配信で「無中生有(むちゅうしょうゆう)」を実現する
最後に、セミナー内では「無中生有(むちゅうしょうゆう)」という兵法も紹介されました。これは「ないものをあるように見せる」という意味です。
即商談に至らない見込み客を商談化するには時間がかかります。しかし、毎回リアルでウェビナーを開催するのはリソース的に困難です。そこで、ビジブルの録画配信機能を活用します。一度ライブで開催したウェビナーを録画し、日時を指定するだけで、自動かつ無人でずっとウェビナーを開催し続けられます。

こうすることで、担当者は他の仕事に集中しながら、分身がウェビナーで見込み客を育成し続けます。
また、Biziblではアンケートが開催画面でそのまま回答できるため、別画面やメールでの回答に比べて回答率が大幅に向上します。実際、Googleフォーム利用時の40〜50%から、Bizibl導入後は約70%に改善された事例もあります。
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第3部:物品管理システム企業の実践事例(株式会社コンビベース)
ニッチな業界だからこそ、戦略的なリード育成が必要
第3部では、弊社株式会社コンビベース(以下、コンビベース)の吉田様による、同社の展示会事例が紹介されます。
コンビベースは、物品管理システム『Convi.BASE』を提供しています。今年で20周年を迎える製品ですが、非常にニッチな分野であることは言わずもがなです。
物品管理システムとは、固定資産や備品など、会社のモノを見える化して業務を効率化するシステムで、企業で働く人たちが使用する、パソコンや携帯、机や椅子など、社内のあるあらゆるものの管理を行います。
物品管理は検討優先度が低い業務であり、勤怠管理や人事労務管理のような必須システムには劣ってしまうのが難しいところです。
しかし、物品管理には一定のニーズが存在します。この「検討優先度は低いがニーズはある層」を、いかに展示会でリード獲得し、育成して商談化するかがコンビベースにとっての課題でした。
展示会当日から始まるナーチャリング設計
コンビベースの展示会出展目的は、以下の通りです。
1. サービスの認知拡大・ブランディング
2. 継続出展による信頼性向上
3. 実機デモによる製品理解促進
4. リード獲得と商談獲得
このなかでも、「4. リード獲得と商談獲得」を最も意識しており、いかに商談化できるかをKPIに据えています。展示会のオペレーションとアフターフォローでは、見込み客の温度によって、フォロー対応を使い分けることで、KPIの達成を目指すのです。
- ホットリード対応
少しでも興味を持っていただけたら、とにかくスピード感を意識しすぐに商談獲得に向けて動きます。このとき、見込み客に対応するインサイドセールス側に情報がしっかりと伝わるよう、ヒアリングシートにわかっている情報を即座にまとめて、共有することも書かせません。
- コールドリード対応
「物品管理は今じゃない」「これから考えていく」という方には、ウェビナーの案内を行います。展示会時にお渡しする資料の中にはQCコードが記載されており、読み込んでもらえば即申し込み可能という状態を作っています。
こうした取り組みを行うことで、その場で話が終わるのではなく、次へとつながる可能性を持たせることができるのです。
翌日のお礼メールと継続的なタッチポイント
展示会終了後は、翌日に必ずお礼メールを送信します。忘れられる前にフォローし、タッチポイントを途絶えさせないためです。コンビベースでは、常に何かのタイミングで思い出してもらえる状況を作ることを意識していると言います。
またこの際、来場者特典の資料を添付したり、展示会ブースの写真を必ず挿入することを行います。展示会来場者は、1日に多くのブースを回るため、優先度の低い展示は忘れてしまいがちです。視覚的に思い出してもらう効果が、展示会写真の添付には含まれているのです。
ウェビナーコンテンツの段階的設計
即商談化しなかった見込み客に対してはウェビナーの申し込みを促しますが、このとき大事なのが、見込み客に「物品管理システムを入れるメリット」を認知させることです。
コンビベースがウェビナー参加後に期待する、見込み客の姿(気づきを得ている状態)は、以下の通りです。
- 「物品管理は会社の資産を守る仕組みなんだな」
- 「棚卸しや貸出しの無駄な手間、放置してたけどコスト的にもったいなかったかも」
- 「資産の実在性の証明って、ちゃんとエビデンス残さないと監査で詰むな」
このような気づきを得ていただくために、見込み客のニーズとペイン(お金を払ってでも解決したい課題)を想定し、ウェビナーコンテンツを作ることが重要です。
いきなり製品営業のようなセミナーでは離脱されてしまうため、コンビベースではウェビナーのコンテンツを「認知獲得」「興味醸成」「検討促進」の3段階で整理して実施しています。
具体的には、認知獲得の段階では、「Excelで物品管理する方法」「物品管理のシステム化はなぜ進まないのか?」など、実際のシステムは一旦置いておき、前段の話をします。
続く興味醸成の段階では、「脱Excelして物品管理をシステム化するメリット」「棚卸し工数90%削減の方法」など、参加して興味を持っていただければ、次に「製品を知りたい」と思ってもらえるようなテーマを設定します。
最後の検討促進の段階では、「会計システムや固定資産管理システムとの連携方法」「コンビベース活用ガイド」といった、具体的なサービスの使い方の話をします。
このように、段階的に温度感を高めることで、「それって良さそうだね」「我々にとって必要そうだね」という認識に変わっていき、商談化が進みます。
さらに、回遊設計も重要です。
例えば、「Excelで物品管理する方法」のセミナー参加者に、次は「脱Excelするメリット」や「システムで物品管理するメリット」を案内します。実際に、過去には前回のセミナー申込者の40%が次のセミナーに進み、参加者では半数が次に回遊しました。
このようにグルグルとウェビナーを回遊してもらい、理解を深めたうえで商談に進んでいただく設計が効果的です。
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まとめ
展示会で獲得したリードを商談化するには、明確な目的設計とNG行動の排除、ウェビナーを活用した段階的育成、MAツールによる迅速かつ継続的なフォローといった取り組みが不可欠です。
今回多くの施策が紹介されましたが、自社が取り入れられそうな部分から改善を図っていくことをおすすめします。
(文・スイセイ)
株式会社Bizibl Technologies
ウェビナー運用の一元化&自動化によって、施策の工数削減と成果向上を実現。録画配信を自動化する自動ウェビナーによって企画あたりの成果を向上させます。